フットサルの試合でしばしば見るパワープレーですが、ゴレイロまで攻撃に参加するということで諸刃の剣の戦術です。
それでも逆転したい一心で総攻撃を仕掛けるわけですが、成功することもあれば失敗することもなかなか多いようです。
今回は実際にあった試合でのパワープレーを参考にしながら、自分のチームがピンチのときにパワープレーを選ぶのか否かを考えてほしいと思います。
そもそもパワープレーとは?
冒頭でも少し触れましたが、パワープレーとはその名のとおり「強引に攻める戦術」で、試合がビハインドしている状況で一発逆転をかけて使われる超攻撃的戦術です。
最大の特徴は、これまでフィールドプレーヤーが4人だったところをゴレイロも加えて5人全員で攻めに行くという点です。
それによりフィールド上は5対4の状況になりますからボール保有率は上がります。しかしその反面、一度でも奪われてしまうとゴールがガラ空きなので即失点につながる非常にリスクの高い戦術です。
パワープレーは成功するのか?
では実際の試合ではパワープレーはどこまで通用するのか見ていきましょう。
「フィールドプレーヤーが4人から5人になったくらいじゃそこまで変わらないでしょ」という方もいますが、パワープレーも緻密な戦略を基に行えばある程度の成功率があるようです。
以下の動画は2012年FIFAフットサルワールドカップ タイ大会 グループC予選 日本対ポルトガルの一戦です。
(動画時間は約1時間28分ありますが、本題のパワープレーは後半残り9分から)
前半を2-5で折り返した日本は、後半も積極的に得点を狙いにいきますが、得点は奪えず点数差が拮抗してしまいます。なんとか逆転したい日本は後半残り9分、ついにパワープレーに踏み切ります。
正直3点差をつめてさらに逆転となるとかなり厳しい展開が予想されていましたが、この試合で日本はなんと土壇場で3点連続得点し、対ポルトガル戦を奇跡のドローに持ち込みました。
フットサル界ではかなり有名なこの試合ですが、パワープレーによる大逆転劇もあることを証明してくれています。
パワープレーが無駄に終わることはないの?
先の試合では、正直まぐれか奇跡の部類に入る展開でした。
残念ながら実際の試合ではパワープレーの途中でボールを奪われ、逆に失点して点差が開いてしまうという展開が多々あります。むしろ失敗例の方が多いといってもいいかもしれません。
以下の動画は海外フットサル バルセロナ対ディナモの一戦でのパワープレーです。
この試合、逆転に向けてパワープレーを仕掛けたバルセロナは、組織的な鮮やかなパス回しで1得点することに成功します。さらに攻勢にでるバルセロナでしたが追加得点は奪えず、逆にその2分後パスミスからディナモの選手へとボールが渡り、無情にも無人ゴールに入れられてしまいました。
この事例からも分かるように、パワープレーには確実にリスクが伴います。
ボールを奪われることがどれほど致命的か、バルセロナの選手も最後必死のスライディングでゴールを防ごうとしますが、最後は得点されてしまっています。
パワープレーの意義を考える
日本代表戦はすべてがうまく噛み合った言わば奇跡のパワープレーですが、一方のバルセロナの試合を見ると考えされられるものがあります。
ただひとつ言える事は、パワープレーも普段からこういった状況を考えて練習しているかが重要であるということです。
バルセロナの試合は最終的に逆転おろか突き放される結果になっていましたが、パワープレーを仕掛けた直後の1点目は、パワープレーが単なる無謀な挑戦ではなく、きちんと計算された戦術を元に仕掛けることができれば、得点の余地があるということを証明してくれています。
また日本代表のように、ボールを失っても必死にカバーしてゴールを死守し続けることができれば、パワープレーによる逆転劇も夢ではないということです。
最終的な戦略はチームの方針や監督の采配によりますが、いざパワープレーをやるとなったときは、あらかじめパスワークなどを綿密に練習しておく必要があると言えそうです。
まとめ
せっかくなので、もっとパワープレーの動画を集めてみました。
成功しているチームもあれば、コテンパンにやり返されているチームもありますが、それぞれの戦術的な部分をみていると色々分かっておもしろいですよ。
特にパワープレーで得点したチームももちろんなのですが、それを防いチームの守備戦術も参考になると思います。