プレー中、相手選手からプレッシャーをかけられるとうまくボールキープができないという方は多いと思います。
サッカーでもそうですが、特にコートの狭いフットサルでは、相手の寄せの速さを常に頭においてプレーする必要があります。
では一体どうすればボールキープが上手になると思いますか?
ボールキープのコツは最初にボールを受けたときの対処の仕方と発想力になります。
まずは対処の仕方について以下の話をお読みください。
ボールキープの極意
プレッシャーの中で自由にプレーするコツについて元日本代表の金田喜稔さんは、
「利き足を基本としたボールの持ち方が大切である」と述べています。
金田さんはサッカー界の方ですが、この話はフットサルにも通ずるものがあります。
(以下、「サイドアタッカー」本文より引用)
ワールドカップの予選など、ものすごくプレッシャーがかかる試合の中で、人間として本能的にどちらの足でボールを扱うのかといえば、自分の利き足なんだよ。
(中略)
トラップに使う足はどちらでもいい。
そのあとにボールを置く場所が大切になる。例えば、ロナウジーニョが左足のインフロントでボールを止めるとき、必ず右足の前にボールを置く。
右足のアウトで止めるときも右足の前。
胸で止めるときも、腿で止めるときも、すべて利き足の前にボールを置いている。常に利き足でボールを触れる位置に、ボールを置くからこそドリブルもパスも、感覚的に違和感のない状態でプレーができる。
(中略)
プレッシャーのかかる試合では、人間は知らず知らずのうちに利き足に頼る。
利き足でコントロールしやすい場所にボールを置くからこそ、プレスをかけてきた相手を、アウトサイドのタッチでかわしたり、インフロントで切り返したり、足の裏で引いたり、浮かしてかわしたり・・・。
そういったとっさのコントロールでの仕掛けやキープができる。
利き足を意識したボールの持ち方ができなければ、そのあとのドリブルもパスも、何も始まらない。
たしかに利き足だけに偏ると、プレーが限定されてしまうのではないかと考える人もいると思いますが、それは違います。
金田さんがおっしゃっていたように、ファーストタッチを効き足の前にコントロールするからこそ、次のプレーにつながります。
仮にあなたが利き足と逆足でプレーするところを思い浮かべてください。きっと利き足のようにうまくボールコントロールできないと思います。
しかし、あなたが利き足側にボールを収めたとき、相手がプレッシャーをかけてきても、遠いほうにボールを逸らしたり、抜いたり、パスを出したりと色んな選択肢が生まれるのです。
ボールキープ力をつけよう
先ほどの話を受けて、まずはトラップの練習(ファーストタッチの練習)から始めてみましょう。
どんなシチュエーションでもいいですが、試合や練習中、自分のもとにボールがきたら、必ず利き足の方にボールをコントロールしてみてください。
そこからパス・ドリブル・キープなどの色んな選択をしていきます。
ボールキープの練習法
パスとドリブルに関してはまた別の機会にお話するとして、今回はファーストタッチ後のボールキープの方法をお伝えしていきます。
◆ポイント1
まず、ボールキープのポイントは『いかに相手選手から遠い方の足でボールキープができるか?』にかかっています。
フットサルはサッカーと違い、ディフェンス側の激しいチャージングができないルールになっているので、相手から遠い方の足でボールキープするだけでも、実はボールを奪われにくくなります。
◆ポイント2
また、手や体を上手に使って相手をブロックしながらボールキープすることも大切です。
フットサルでは激しいチャージングができないとはいえ、触らなくてもぎりぎりまでボールが届く範囲まで寄せてくるのが基本です。
そこで、手や体を使い最大限自分のエリアを広げ、それ以上相手の侵入を防ぎます。
エリアを広げられた相手はボールとの距離が広がりますから、よりボールキープしやすくなります。
◆ポイント3
また、無理をしないのも立派なボールキープ術です。
いくら頑張って手や体を使ってエリアを広げていても、人数をかけられたり、ライン際に追い詰められてしまってはこちらも成す術がありません。
だからあえてそこは無理をせず、いったんラインの外にボールを出して体勢を整えるのもひとつの方法です。
また少し高等技術になりますが、可能であれば相手にボール当てる事でマイボールにできます。
ちなみに、相手にボールを当てるためには、一か八かもいいですが、日頃から目線を上げて対峙している選手の足の位置などを把握する癖をつけましょう。
まとめ
今回はボールキープ術の中でも最も基本的なことをお伝えしました。いずれのポイントも日頃から意識的に練習することによって必ず上達します。
また、ボールキープは何もあなただけがずっと持っていなければならない事はありません。チームとしてボールを失わなければ、それも立派なボールキープです。
状況に応じてパスやドリブルといった選択肢も忘れないようにしてください。